しいたけのプロが教える、生しいたけをお鍋で楽しむ方法とは!?

2022年02月09日

こんにちは。へるしいたけの山根です。

この冬もとっても寒いですね!こんな時簡単かつ体を温めながら楽しめる鍋料理は最高ですよね。私も毎年冬になるとしょっちゅう作ってます。

さて、生しいたけも鍋を彩るには欠かせない食材ですが、皆さんどのように使っていらっしゃるでしょうか。
今回は、今夜鍋(赤みそ鍋)を楽しもうとしている私山根が、料理をしながら(笑)しいたけの使う時のコツを教えちゃいますよ!

手順1:サッと水洗いする。

まず、気になる方は切る前にしいたけをサッと洗ってください。

しいたけを洗うかどうかって割と判断に迷われる方が多いかもしれません。ネットを見渡すと洗うことで旨味や栄養が逃げることを強調するサイトもありますが、こすったりせず表面を数秒流す程度に洗う分には問題ありません。鍋ですから当然この後濡れますしね笑

生シイタケを洗っている写真
気になる方はこすらずサッと。洗わなくてもOKです。

手順2:傘と軸(柄)を切り分ける。

まず傘から軸(柄)を切り落とします。

軸を傘から外している写真

更に軸は捨てずに先の黒ずんだ「石づき」と呼ばれる部分を切り落とします。

「石づき」はしいたけの生え際でとても固いため捨てますが、残った軸の部分は薄めにスライスして取っておきましょう。締めの雑炊や麺を調理する際に使います。

石づきと軸の写真
左側が石づき、右側が軸。ちなみに「軸」は正式には「柄(え)」と呼びます。

次に傘の部分ですが、これは切らずにそのまま使います。切ってしまうとせっかくの旨味が逃げやすくなるので要注意です。しかし、拳位の大きさのしいたけなど、切らないと食べにくいという場合は切っても構いません。ですが、その場合もできるだけ大ぶりに切るようにしてください。

ちなみに、鍋の写真を見るとしいたけにはたいてい表面に十字の切れ目が入っていますが、これは「飾り切り」と呼ばれるもので味や火の通りにはあまり関係ありませんので、入れても入れなくても良いですよ。

なお、原木しいたけには成長過程で乾燥に当たって割れ目模様がついているものもあります。この割れ目模様は「花」と呼ばれ、高級なしいたけの象徴でもあります。飾り切りはこれを模したものだとも言われています。

 

手順3:入れる時は一番上に。蒸しの延長で調理!

では火にかけていきましょう。鍋料理は火にかける前に鍋に具材を並べ、そこから煮込んでいきますよね。
しかし、生しいたけはあまりぐつぐつと煮込むと特有の香りや食感が損なわれてしまうんです。

そこでポイント。ちょうど鍋の写真などでも出てくるように、具材を並べる際は他の具材の上に乗せて一番上に来るようにしてください。こうすることで煮込むというよりは蒸されてじっくり火が入り、生しいたけ本来の香りや食感が楽しめますよ!

しいたけを一番上に置いた鍋
必ず具材の一番上に乗せるようにする。

手順4:締めの際には〇〇をどうぞ!

さて、鍋料理を楽しんだ後に楽しみなのが締めの雑炊や麺ですよね。

ここでしいたけを切るときに分けて切っておいた軸が登場します。
ちょうどご飯や麺を入れるタイミングで一緒に切った軸を入れて煮込んでください。

傘の部分とは違ったコリコリとした食感が楽しめますよ。

また、しいたけの香り成分は傘の部分よりも軸の部分に多く含まれているので、ただでさえおいしい締めのメニューに程よい香りがプラスされるのも一押しポイントです!

軸入り雑炊の写真
しいたけの軸が入った雑炊。いつもの味わいの中にコリコリ食感と香ばしい香りがプラスされています!

鍋におすすめの生しいたけの選び方

さて、ここまでは鍋料理にしいたけを入れるときのコツについてみてきましたが、そもそも鍋料理に使うしいたけはどのようなものが良いか気になりませんか?

しいたけ屋としては「原木栽培の生しいたけ」を強くお勧めします!

「…え?原木栽培?」

と思われた方も多いと思いますが、そもそも一般的に販売されているしいたけには原木にしいたけの菌を植え込み、森やビニールハウスの中で育てる「原木栽培」とトウモロコシの芯やおがくずといった材料を固めたものに菌を植えて工場の中で育てる「菌床栽培」の二種類の栽培方法があります。

特に鍋料理が食べたくなる秋から冬にかけて収穫される原木栽培しいたけは森で育ったものが多いのですが、このしいたけは朝晩の厳しい寒さにさらされながらゆっくり育っているので、しっかりと身が詰まり、香りもとても香ばしいものになっているのです。

火にかけてもふにゃふにゃした食感にはならず、歯応えがありつつもとても滑らかな原木生しいたけ特有の食感が味わえますよ!

しいたけ売り場ではどちらの方法で栽培されたしいたけであるかを表示することが義務付けられていますので、売られているしいたけの袋や値札をよく見てから購入してください。

ちなみに、その中でもおいしい原木生しいたけは軸が太く短いものとなります。軸が短いものはより時間をかけて成長しているため、身の詰まりが全然違います!

「どうやって選んだらよいかわからない!」という方は私共も年間を通して原木生しいたけを販売しておりますのでどうぞご検討ください!
→ 原木生しいたけの購入はこちらからどうぞ!

出汁(だし)を楽しむなら干ししいたけで

さらにもう一点。たまにお客様から「生しいたけで出汁(だし)を出すにはどうしたらよいの?」と聞かれることもあるのですが、残念ながら生しいたけでは出汁の効果はあまり期待できません!

しいたけ出汁に特有の旨味成分である「グアニル酸」の素となる物質はほとんどが干ししいたけを作る過程で生成されますので、「しいたけ出汁を鍋料理で楽しみたい!」と思われる方はぜひ干ししいたけをお使いください!

…ちなみに、今回私が作っていた鍋の出汁は干ししいたけと昆布の合わせ出汁でしたよ!簡単だけどおいしいのでお試しあれ。

簡単合わせ出汁の作り方と旨味成分についてはこちらの記事もご参照ください!

ピエンロー鍋の画像
干ししいたけをメインにした中国の鍋料理ピエンロー鍋

最後に

いかがでしたでしょうか。せっかくならポイントを押さえてよりおいしい鍋料理を味わってくださいね!

このサイトでは原木しいたけにまつわる様々な情報を発信しておりますので、面白いと感じられた方はぜひこちらから過去の記事もご覧くださいね。